11/15に、エクソン・モービルの石油ガス開発を担当する子会社、
ExxonMobil ProductionのMichael Fry氏(アフリカ担当)が出張講演に来てくれました。
プレゼンテーションの中では、
今後、世界の石油ガス需要はますます増えていくこと、
アフリカ、特にギニア湾は、新たな石油大生産地となっていくこと、
テクノロジーの進化により、より効率的より安価に石油ガス開発が可能となっていくことが
説明されました。
特にテクノロジーとしては、”4D seismic data analysis””Deep Water Drilling”が
強調して紹介されました。
その中で、Fry氏は、アフリカでのビジネスの難しさについて、以下の点を挙げています。
・政府の法規制が一貫せず、予見可能性が低いこと
・現地で効率的なビジネスサポートを受けることが難しいこと
・政府の透明性が低く、双方向コミュニケーションがとりにくいこと
また、Q&Aのセッションの中で、学生から出た質問にも丁寧に答えていました。
このQ&Aセッションが今回の講演のクライマックスともいえました。
===================================================
「中国勢力のアフリカ進出が進んでいるが、その中国国営企業とどう戦うか?」
中国政府を相手にしてエクソンモービルは勝つことはできない。
中国政府はインフラ整備や教育・医療支援など包括的な政府協力の対価として、
石油ガス利権の確保を要求する手法をとっているからだ。
しかし、中国政府にも弱点はある。
政府間の公約を履行しないケースも多く、アフリカ諸国の中で中国に怒りを示している国もある。
「石油枯渇化が叫ばれていますが、どうお考えですか?」
石油は枯渇しないと私は思っている。テクノロジーの進化により、石油ガス採掘量は増えるからだ。
「資源獲得競争が進む中で、アメリカへの石油確保については、どうお考えですか?」
エクソンモービルとしては、高く買ってくれるところに石油を売る。それが原則だ。
一番の懸案は、石油ガス供給の安全保障だ。例えば、中東で何かが起こると石油ガス供給が大きく滞る。
それは世界にとって大きなリスクだ。
===================================================
自然エネルギーへの注目が集まる中、
1次エネルギー供給における石油ガスの役割は今後もしばらく続いていきます。
Fry氏の講演からは、エクソンモービルが担う社会の役割の大きさを感じさせられました。