サンダーバードの3泊4日企業訪問プログラム「Trek」


2/23から2/26まで3泊4日で、サンフランシスコに行ってきました。

旅行ではなく、サンダーバードの特別プログラム「Trek」。
希望者のみが参加する、企業訪問ツアーです。
キャリアマネジメントセンター(通称、CMC)主催で、
1年間で6~7回開催されています。

サンダーバードでは、アメリカ国外への企業訪問プログラムが数多く用意されています。
SummerimやWinterimと呼ばれる2~3週間プログラムは、単位認定科目として、
ほとんどの学生が参加します。
このSummerim, Winterimではもちろんアメリカも開催地としてありますが、
中国、インド、ブラジル、南アフリカ、ドイツ、レバノン、ケニアなどなど、
海外開催地のほうが圧倒的に多く、参加者もそちらに集中しています。
そんな中で、このCMC開催のTrekプログラムは、アメリカの企業を訪問できる、
サンダーバードの中では貴重なプログラムなのです。

今回のTrekの応募案内は会の3か月前の12月上旬にに告知されました。
応募書類は、前学期までの成績と応募動機のエッセイ。
合格通知をもらうことができたのは12月中旬。
そこから、学生が主体となって、訪問先決定、レセプション参加者の呼び掛け、
旅程計画と訪問先企業の事前研究、さらに手土産等準備と、慌しく進んでいきました。

このプログラムは、CMCが宿泊費・航空費をすべて負担してくれます。
訪問先企業への手土産や夜のレセプション・パーティー費用も全部CMC負担。
現地での電車代と通常の食事代だけ自己負担です。とても高待遇です。
もちろん参加料は一切ありません。

それぞれの回にはテーマが設定されており、僕が選んだのは「CSR」。
他には、「ファイナンス」「マーケティング」「ハイテク」「クリーンエネルギー」
「国際開発」「サプライチェーンマネジメント」というものが今年度はありました。

ファイナンスの場合は、ニューヨークで投資銀行や商業銀行などを訪問。
マーケティングの回では、同じくニューヨーク周辺の大手メーカーや
コンサルティング企業を訪問。
ハイテクでは、サンフランシスコ周辺のGoogleやFacebookなどを訪れ、
クリーンテックでは、シリコンバレーを中心に、太陽光パネルメーカーや、
電機自動車のベンチャー、それを支援するベンチャーキャピタルなどを訪れます。
国際開発では、ワシントンDCの、国際機関や政府機関、NGOなどに行けたりします。

もちろん毎年、学校側や生徒側の思惑でテーマも変わり、
過去には「メディア&エンターテイメント」「ヘルスエア」の回もありました。

こうした企業に訪問できる背景には、
サンダーバードの卒業生がそれぞれ入社しているという事実と、
それを支える卒業生データベースの存在があります。
訪問企業を選定する際には、そのデータベースから卒業生を照会し、
彼らにコンタクトをとることで、訪問が容易に実現しています。

そして、その中で僕は「CSR」を選びました。理由は2つありました。

①CSRという分野が本当に今後ビジネスとして機能するのか見極めたい
②どういう人たちが実際に従事しているのか見てみたい

持続可能ビジネス戦略というものを自分の専門としようとしている中で、
一抹の不安は「この分野が本当にビジネスになりうるのか」というものでした。
日本やその他の国でも、このCSRやサステイナビリティという考え方には、
一種の「冷ややかな見方」があります。
この分野によく登場する「NPO」というものにも、違和感を抱える方が数多くいます。

社会的には重要だと言われる中で、人々からは冷笑の対象となっている。
この相矛盾する状況の中で、確実にCSRを機能させていくためには何が突破口となるのか。
それを追求するために、現状をよくみてみたい、というのが大きな参加動機でした。

また、このTrekプログラムに参加した理由としては、別に以下のようなものもありました。

③アメリカでのプロジェクト運営やビジネス文化を体験したい

このTrekは、当然、アメリカ人の学生が中心となって運営されます。
学校側もアメリカ人、参加した学生も14人のうち11人がアメリカ人です。
実際の企業に訪問するということで、学生側も学校側もモードは「ビジネス」です。
学校側には教育目的だけでなく、企業と良い関係を築くことで、
将来の学生の就職を有利にしたいという思惑ももちろんあります。

ということで、準備会議のペースも実際の企業訪問時の接し方も、
すべてが「英語ネイティブのアメリカ人」のスタイル/ペースで進んでいきます。
そんな中で、まだまだ英語力も中途半端な自分がどこまでできるか、
頑張ってみたいという思いがありました。

そして、3泊4日の日程が終了。得たものは想像以上に大きかったです。

まず訪問した企業は、全部で8つ。

1. As you sow: 社会的責任投資(SRI)を手掛けているNPO
2. GAP: 世界有数のアパレルメーカーのCSR関連部門
3. BSR: サステイナビリティ構築コンサルティングをしているNPO
4. SAP: ITベンダーの世界大手のCSR関連部門
5. IDEO: デザインコンサルティング会社
6. Taproot Foundation: プロボノサービスを提供しているNPO
7. TechSoup: IT商品を格安で世界のNPOに提供しているNPO
8. Clorox: 消費財メーカー大手のCSR関連部門

その他に、レセプション等で直接お話しできた方は、
9. Google: ファイナンス部門
10. Facebook: マーケティング部門
11. Degital Devide Data: 途上国のデジタル化を支援しているNPO
12. Net Impact: 世界中の持続可能性活動団体を下支えしているNPO

ほとんどの訪問先で、独自のパワーポイント資料を用意していただいた上、
惜しみなく現状を話してくださいました。

事前の予想を大きく裏切られたこととしては、

・訪問したNPOはみんな収益源がきっちりしていて補助金や寄付金に頼っていない
・有名コンサル企業出身の人たちが実際のNPOの現場で活動している
・NPOには企業経営と同様のスタンスが必要だとみんな思っている
・企業CSR部門は、CSRの目的を、社会貢献ではなく、企業利益の向上だととらえている

ということです。見事にいい方向に裏切られました。

確実にCSRやサステイナビリティは、大きなマーケットになりつつあることが実感できました。
そして、訪問先の選定が絶妙であったために、
CSR関連部署とNPOの関わり方、双方が抱える課題や問題点、相手への期待。
それぞれのNPOの果たす価値や役割、成功のためのポイント。
など、CSRを取り巻く現状を、立体的に把握することができました。

また、多くの方が共通して口にするのは、
「日本のマーケットにはアプローチしづらい」ということでした。
そこには言葉の壁も大きく作用していますが、
パートナーとなるNPOの不在やCSR分野に対する理解の低さも問題であると感じました。

この分野での世界の最先端をいっている、サンフランシスコやシリコンバレーで、
当事者たちの声を聞き、実際のオフィスをみることができたのはいい機会でした。

そして、もうひとつの目的であったアメリカでのビジネス文化体験。
英語はもちろん大きなチャレンジでした。
事前準備の段階では、このTrekの方向性を決めていくために自分の意思を
タイミングを図りながら伝えるということもありました。
訪問先では自己紹介を求められ、企業への御礼を伝え、手土産を渡す役割も担いました。
訪問先ごとの事前研究も行い、即興で参加者たちにプレゼンをすることもありました。
2夜のパーティーでは、英語でゲストに話しかけ、会話に花を咲かせることもできました。
おかげで、英語力がこの4日間で一機に上達した気がします。

激しいカリキュラムの中で、さらに大幅に時間のとられるこのTrekへ参加することを、
一時躊躇したこともありましたが、最終的には本当に収穫の多い良い旅となりました。
いろいろ考えずに思い切って飛び込んでしまうことは、本当に重要ですね。


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