こんにちは。
今週のマーケティングのクラスでは、
ブランドマネジメントについて、いろいろな概念の説明がありました。
この分野はいろんな人が、いろんなことを言っているので、
体系立てて整理されていないため、
授業でも、不整理のまま、概念を浴びせ倒されました。
まずは、ブランドの定義は、
「ブランドとは、名称、フレーズ、デザイン、それらの組み合わせの総体で、
自社の製品やサービスを競合のものと区別するように意図されたもの」
となります。
そして、ブランドは、その製品やサービスから連想される言葉によって
意識づけられています。
たとえば、コカ・コーラからは、
「うまい」「アメリカっぽい」「炭酸」「本物」「ペプシコーラ」などが、
さらにその連想語から、「爽快」「健康に悪い」「ポジティブ思考」
など、次々に連想が連想を呼び、
コカ・コーラ全体のイメージを形成しています。
この分析手法は、連想ネットワークモデル、と呼ばれています。
このように、ブランドを把握するためには、
人々が脳の中でどのように連想していっているかを、
把握していくことが重要です。
なぜなら、ブランドイメージとは、自社で決めることはできないからです。
ブランドには、
「ブランドイメージ」と「ブランドアイデンティティ」の2つの側面に分けられます。
ブランドイメージとは、カスタマーが勝手に抱く商品のイメージ。
ブランドアイデンティティとは、提供者が意図するその商品のイメージ。
この両者は、必ずしも一致しません。
むしろ、乖離していることのほうが多く、
ブランドマネージャーには、この乖離をどう埋めるかが要求されます。
埋め方としては、
1. イメージにアイデンティティを近づける=商品をあらためる
2. アイデンティティにイメージを近づける=カスタマーのイメージを変えに行く
3. その両方
があります。
このように、ブランドとは、
「ブランドがある」「認知されている」ことが重要なのではなく、
「どう認知されているか?」「どのようなブランドイメージを抱かれているか?」
を把握していく必要があります。
良いブランドの3要素とは、
「強力」「独自性」「好意的」のあるブランドです。
ブランドイメージについて、
この3点でブランドの健康状態をチェックしていくのです。
ブランドイメージの中には、
Points-of-differences (PODs)=差異ポイント、と
Points-of-parity (POPs)=共通ポイント
の2つがあります。
常に、差別化のために、差異ポイントを強化すればよいわけではありません。
共通ポイントは、カスタマーから「そのジャンルの商品として、当然持っている要素」
とみなされているものもあります。
一定の共通ポイントを保持しつつ、差異ポイントを強化していくことが求められます。
ブランド・ナレッジ Brand Knowledgeという概念もあります。
ブランドを、単にイメージだけでなく、
これは、カスタマーの経験、感情、信念、考え、イメージの総体として
とらえる考え方です。
単純に、ブランドはイメージを形成しているだけでなく、、
もっと深いところ、たとえば、「男たるものハーレーダビッドソン」というように、
自身の生活・経験の一部を形成してしまっていることもあるのです。
このように、ブランド・ナレッジにはいろいろな階層があり、
5段階ブランド意味付けモデル5 Levels of Brand Meaningと呼ばれています。
1. 属性 Attributes
商品が物理的な特性をもつ。例、「石鹸といえば象牙色」
2. 利得 Benefits
商品から具体的な利得を感じる。例、「Appleのコンピューターはグラフィックに強い」
3. 価値 Value
商品から特有の価値を感じる。例、「レクサスは高級感を漂わせる」
4. 文化 Culture
商品が文化を形成する。例、「スタバは若者の文化だ」
5. 個性 Personality
商品そのものに個性が宿る。例、「ヴァージン航空は反逆児だ」
このように、1から5にいくにつれて、ブランドの力が強くなっていきます。
大事なことは、どのレベルの状態にいるのかによって、
訴えるメッセージが変わってくるということです。
商品ブランドが今どの段階にいて、どこを目指すのか、
ここからブランド戦略を出発させていくことが重要です。
そして、そのブランド・ナレッジをもとに、
カスタマーが積極的にある商品を購入した結果もたらされる効果が、
ブランド・エクイティBrand Equityと呼ばれています。
特に、ブランド・エクイティは、付加価値を意味することが多く、
そのブランドがないときに比べたときの価格のプレミアム分を
指すことが多いようです。
ブランド・ナレッジやブランド・エクイティをすべてまとめて、
ブランドを利益を生み出すための資産 Asset としてとられられることもあります。
最後に、ブランド・レポート・カードとという、
ブランドマネジメントの重要10カ条が紹介されました。
1. ブランドは、カスタマーが求めている利得を提供しているか?
2. ブランドは、商品そのものの質とイメージが関連づけられているか?
3. 価格はカスタマーのブランド認識に基づいて設定されているか?
4. ブランドは、適切なポジショニングがされているか?
5. ブランドアイデンティティに一貫性があるか?
6. ブランド・ポートフォリオは意味がある。
7. ブランド・エクイティ構築のために、マーケティング活動をフル活用しているか?
8. ブランドマネージャーは、カスタマーのブランドイメージを理解しているか?
9. ブランドは、継続していくために、適切な支援を受けているか?
10. 企業は、ブランド・エクイティをモニタリングしているか?
授業後の感想としては、正直、ブランドという概念が、ふわっとしすぎていて、
ブランドマネジメントというものを体系的に理解するのが難しいと思いました。
同じ言葉でも、違う概念で語られていたり、
何が重要なのか分からなくなったり、当たり前のように聞こえたり、
まだまだ追及の余地がありそうです。
ですが、自社のブランドとは何か、について意識をしていない企業も
多いように思います。
カスタマーが商品にどのようなイメージをもっているか?
ここからまず把握をしていくただけでも、大きな前進のように思いました。