世界最大のスーパー『ウォルマート』


こんにちは。

今回は、キャンパスでの日常生活を題材に、
マーケティングと社会問題について考えてみました。

キャンパスから車で2分、自転車で5分のところに、
世界最大のスーパーマーケット、ウォルマートがあります。

サンダーバードの学生はもちろん、
周囲の市民の貴重な台所になっています。

ウォルマート walmart 写真 画像

ウォルマート walmart 写真 画像

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ウォルマートでは、食料品、家電製品、収納用具、スポーツ用品、カー用品、
赤ちゃん用具、衣料品、医薬品、消費財、文房具、寝具、食器など、
ほぼすべての家庭用品をワンストップで購入することができます。
非常に便利です。

主要戦略は、写真のような大規模店舗による、安値販売。
EDLP “Everyday Low Price”がキーワードです。
現在の店舗数は、15カ国で8,500。
日本で最大のスーパーマーケット、イオングループでも、店舗数は約1,800。
小規模多数店舗を戦略とする日本のコンビニでも、
最大のセブンイレブンの店舗数は約13,000。
大規模店舗を8,500も展開しているウォルマートは、世界の圧倒的な覇者です。

ウォルマート walmart 写真 画像

店内には、”Unbeatable Prices” (太刀打ちできない価格)という標語が
いたるところに掲げられています。
顧客に対して、ウォルマートの低価格戦略をイメージづける
素晴らしいブランド戦略です。

ウォルマート walmart 写真 画像

アメリカの一般家庭の購買行動は、いわゆる「大量買い」がメインです。
写真に写っている顧客のカートは、これでもかというぐらいに商品で溢れています。
アメリカでは、家が広く、そのため冷蔵庫の大きさも非常に大きい。
また、生魚を食べる文化もあまりないため、基本的に日持ちのする食材が多い。
車社会なので、ショッピングも基本的に車での来店。
さらに、共働きの家庭も多いため、このように週末にまとめ買いをするのです。

その結果、ウォルマートは、
2009年に全米のスーパー販売額2580億ドルの約半分を占めるまでに至っており、
極めて影響力の大きい存在となっています。
この圧倒的なBuying Powerを武器に、どんな大きなメーカーに対しても、
仕入価格の大幅値下げを迫ります。
P&Gのような世界的な消費財メーカーも、ウォルマートを抜きにしては、
ビジネスが成り立たず、ウォルマートへの依存体質が大きな経営課題にも
なっているほどです。

日本では、ウォルマートという名はまだあまり聞きませんが、
実は大手スーパーの西友が、2006年にウォルマートグループの資本参加により、
ウォルマートグループの子会社となっています。

Wikipediaの記事によると、日本でのウォルマートは、
当初は、アメリカ家庭の大量買いの購買パターンを想定した戦略を展開した結果、
毎日買物にいく日本家庭の購買行動に合わず、苦戦を強いられましたが、
その後は、新聞折り込み広告を復活し、ウォルマートが得意とする固定費削減
も効果が出始め、徐々に日本市場でも存在感を増してきています。

そんなウォルマートは、社会問題としてとりあげらえることも多くあります。
有名な本として、『ウォルマートに呑みこまれる世界』があります。

この本では、ウォルマートが、
地元経済にとって、プラスになるのか、マイナスになるのか
ということを、膨大な統計調査とインタビュー取材をもとに、分析をしています。

結論は、
「ウォルマートによる雇用創造は、老舗小売店舗の倒産による雇用喪失を下回る」
というものですが、それ以上に、
資本主義メカニズム下での地元社会と経済、雇用の関係を考えさせてくれる、良本です。

また、ウォルマートからの値下げ交渉に耐えられず、購買中止を迫られた、
製品メーカーが倒産していく様子も紹介されており、
小売とメーカーの関係についても、大きな示唆を与えてくれます。

そんな社会に「悪影響を与えている」と言われているウォルマートですが、
いち消費者としての僕の立場からは、
必要なものを安く販売してくれるありがたい存在でもあり、
店内はいつも顧客に溢れています。

こうして、地元消費者自身が、地元経済を荒廃させ、
自分で自分の首を苦しめていくわけです。難しい話です。

そんな矛盾する資本主義の構造をわかりやすく解説してくれている本が
『暴走する資本主義』です。こちらも良本です。
『ウォルマートが呑みこむ世界』とセットで読むことをおススメします。

日本でも、現在ウォルマート傘下の西友をはじめ、
多くの小売メーカーが、低価格販売を強化していく方向性をとっています。
これが、社会にどのような影響を与えるのか、
考えてみるいい機会だと思います。


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