【出張講義】ダイバーシティで利益は増えるか?(Pacific Gas and Electric Company)


こんにちは。

以前から、個人的に疑問に思っていたのが、
「ダイバーシティで企業の利益は増えるのか?」
というテーマです。

ここ5年ほどの間に、
人材のダイバーシティー(多様性)がいっきに注目されてきましたが、
実は、それがなぜなのかを、自分なりに理解できずにいました。

確かに、女性の購買力が増えてきている昨今、
マーケティング、商品開発関連の部署を中心に、
女性社員を増やしていこうというは腑に落ちます。
しかし、わからなかったのが、「国籍の多様性」。

なぜ、違う国々の出身者がいればいるほど、利益が増えるのか??

この国籍ダイバーシティーを主張する場合には、俗に2つの説があります。
1. 商品の現地カスタマイズが重要なので、人材を多国籍化する
2. 文化や背景が違う人同士が協働すると、チームの創造力が向上する

性別のダイバーシティと同じ文脈で、1の説は理解できます。
ですが、どうしても理解できなかったのが、2の説。
確かに出身国が違えば発想は違いますが、違う国の人同士で話し合っただけで、
創造力は本当に増すのでしょうか。

例えば、日本企業にエジプトからの出身者が会議に参加したとして、
急に創造力が増すかどうかは、わかりません。

それよりも、営業、エンジニア、経理など部門を超えた議論の中で、
新しい発想が出てくることのほうが、思い当たります。

なぜ、ダイバーシティは創造力を向上させ、利益を増やすのでしょうか?

この疑問に、ひとつの回答を与えてくれたのが、
今回紹介する出張講義でした。

講師は、アメリカの大手エネルギー会社、
パシフィック・ガス・アンド・エレクトリック・カンパニー
(Pacific Gas and Electric Company)の
多様性担当副社長(Vice President, Chief Diversity Officer)William H. Harper Ⅲ氏。

彼の説明は、僕の考えとは出発点の時点で異なっていました。

Harper氏はこう語ります。

「アメリカでは、『多様性』というと、すぐに人種や民族のことを意味します。
どうすれば、人種や民族の違う従業員同士が、オープンで互いを尊重する風土を
作っていけるのか、これは企業の利益向上のために非常に重要です。」

この言葉は、僕にとっては新しい発想でした。

僕のダイバーシティのとらえ方は、

企業創造力を向上させたい + ダイバーシティは創造力を向上する
→様々な国籍の人を採用する

という三段論法だったのですが、

アメリカでいわれている多様性は、

能力ベースで人を採用すると自然と国籍が多様になる
+ 多様な国籍の人同士で協働しなければならない
→多様性を尊重する風土をつくる

という考え方でした。

出発点の違いは、

僕が、通常採用は同一国籍、多様性を増すためにあえて外国人を採用

と無意識的にとらえてしまっていのに対し、

Harpar氏は、通常採用で自然に国籍が多様化する、

ととらえていた、ところにありました。

Harpar氏は、続けてこのように語ります。

「従業員が心地よく働く環境を作れないと、サービスの質は向上しない。
どれだけ、経営陣がダイバーシティの重要性を理解していたとしても、
経営陣が顧客と接点をもっているわけではない。

実際に顧客と接点を持つ第一線の従業員が、
ダイバーシティの重要さに気づき、
その従業員同士が心地よく働けるよう、
相互に尊重しあう風土がつくれるかどうかが、カギ。

ラインマネージャーは、そのような役割も求められている。」

グローバル企業が直面している「ダイバーシティ」の問題とは、
当然のことのようにダイバーシティが高まっている従業員構成を
どのようにマネジメントしていくか、だったのです。

留学していながら、
「従業員は、通常、みな同じ国籍」という発想をしてしまっていた自分が、
少し情けなくなりました。


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