MBA 就職・転職活動 5 (キャリアフェアの正攻法)


こんにちは。

引き続き、Thunderbirdのキャリアマネジメントの授業では、
学生の就職・転職活動成功に向けたレクチャーが実施されています。

今週のテーマは、就職フェア・キャリアフェアでいかに成功するか?
というものです。
ここでもか、というぐらい、細かいナレッジが共有されていました。

まず、アメリカMBA学生の就職・転職活動方法について、説明します。
詳細は、先日書きましたが、
就職フェアというものが重要な役割をもっています。

学生にとって、企業と接点をつくるには、

‐ OB/OGのネットワークを活用し、企業訪問する
‐ ビジネススクールが努力して企業をキャンパスに呼び込み接点をつくる

というものが一般的です。

なぜなら、企業HPに直接メールを送っても反応が鈍いからです。

上記のような学校の力を活用した接点作りではなく、
自力で何とか接点をつくる方法、それが就職フェアです。

アメリカMBA学生の就職・転職活動は、
日本の就職活動以上に学生が同じタイミングでスーツを着て行動を起こします。
日本の就職活動が異様視されたりしますが、
それ以上に、アメリカMBA学生の就職活動は異様です。

まず、就職フェアは、大きな就職フェアが3回行われるだけです。

NBMBAA (National Black MBA Association) 9/22-25 @Los Angels
 - 全国黒人MBA協会主催。ナブンバと発音される。
NAWMBA (The National Association of Women MBAs) 10/1-2 @Louisville
 ‐ 全国女性MBA協会主催。ナウンバと発音される。
NSHMBA (National Society of Hispanic MBAs) 10/21-23 @Chicago
 - 全国ヒスパニックMBA協会主催。ニシンバと発音される。

※黒人、女性、ヒスパニックなどが名前についていますが、
 これは、「アフリカ系向け」「女性向け」ということを意味していません。
 MBA学生なら誰もが参加できるものです。
 なぜ、そのようなマイノリティの名前がついているかというと、
 それぞれの就職フェアが、それらの協会の支援で始まったからです。
 特定の人だけを対象にした就職活動を開催することは、
 アメリカでは違法で、断じて厳しく取り締まられます。
 アメリカの大企業では、応募者数、面接者数などを、
 エスニックグループごとの実際の数を当局に報告することが
 義務付けられていたりします。

※日本語と英語のバイリンガル向けには、それ以外に2つ。
Los Angels Career Forum 9/17-18 @Los Angels
Boston Career Forum 10/22-24 @Boston (通称、ボスキャリ)
両者は出展企業がかぶっていることが多いため、
より規模の大きいボスキャリだけに参加すれば基本的にはOKです。
もちろん、事前に双方の出展企業は調べておきましょう。

つまり、3回しかない就職フェアで戦いに勝ち抜くしかないのです。
極めて短期集中です。

今回は、この戦いに、以下に勝ち抜くかを紹介します。

<就職フェアとはどんな場?>

グローバル大企業を中心に、約100~200社が集まり、ブースを開いています。
企業側の目的は、学生との接点をつくり、選考母数を増やすこと。
学生はまず、ブースを訪問し、採用担当者と簡単にコミュニケーション。
採用担当者のお目に留まれば、この3日間の間に、電話やメールで連絡が来て、
一次面接が実施されます。
採用担当者としても、あまり質の良くない候補者を、先に進めると、
自分の成績に響くので、厳しい眼で選定されていきますし、
この3日間で極力候補者を絞り込むことまでを目的としています。
そのため、一次面接後の夜は、企業担当者でミーティングを行い、
さらに誰を次の選考に進めるかを、真剣に議論しています。

採用担当者が知りたいのは、学生の職種や業界に対する興味や関心ではなく、
「この学生が、この企業で働きたいと思っているかどうか」です。
伝える内容は、職種や業界についてではなく、
相手先「企業」にフォーカスされていなくてはいけません。

また、”You should know what they want to know”
企業採用担当者が何を知りたがっているかということを、
早めにキャッチする必要があります。
語学力?リーダーシップ経験?海外業務経験?会計スキル?
その年の採用のテーマが何であるのか、
ホームページやパンフレット、当日のブースでの会話の様子などから
早め早めにキャッチしましょう。

<当日までの準備>

当日、自分を売り込むものとして、次のものを持参する必要があります。
‐ レジュメ 最低20枚
‐ 名刺 最低20枚
‐ ネームタグ マグネット式のもの

また、採用担当者から面接をゲットするためには、事前準備が必要です。

‐ 当日、自分が回る予定の企業をピックアップし、企業調査を行う

   ・ 第一志望群 3~5社 (5ページ分の企業調査)
   ・ 第ニ志望群 5~7社 (3ページ分の企業調査)
   ・ 第三志望群 5~7社 (3ページ分の企業調査)

   ※最低限調査するもの
     * 企業の最近の業績、製品情報、株価、ニュース
     * 企業の競合分析(SWOT等)
     * 企業エグゼクティブに自分の学校の卒業生がいるかどうか

‐ スーツは複数日程、同じものを着ていても誰も気づかないので構いませんが、
  シャツ、ネクタイ、靴下は、必ず変える
‐ 採用担当者は服装で差別化することはないため、あまり奇をてらったデザインの
  ものを着ていく必要はありません。もちろん、ラフすぎるのは減点対象です。

<当日の対応>
‐ 開会と同時に、第ニ志望のブースに行く=受け答えの練習のため
‐ その後に、第一志望のブースに行く
   企業採用担当者は開会時には、候補者と会う楽しみを感じていますが、
   徐々にエネルギーを失い、候補者の印象が薄くなってきます。
   また、企業採用担当者はなるべく早く一次面接を設定したいと思っています
   ので、早くいく分、一次面接を獲得できるチャンスが高まります。
‐ 必ずネームタグをつける=相手に名前を覚えてもらうため
‐ 会場には休憩スペースがないので、PC等、重いものは持っていかない。
‐ クリップボード(英語ではPortfolio)を持参し、レジュメ、名刺、企業調査の結果
  などを挟んでおく。企業調査の結果は、相手にちら見させるレベルがGood。
‐ 名刺は採用担当者に会ってすぐに渡すのではなくて、別れ際に渡す。
   企業採用担当者は、邪魔になるので名刺やレジュメを極力受け取りたくない。
   なので、別れ際に、
    ”How do you prefer to follow up with you?”
    ”What is the best way to follow up with you?”
   のような質問を行い、名刺を渡してもらえるよう、うまく持っていく。
   その後に、自分も名刺を差し出す。
   ※採用担当者は、学生から受け取るものとして、レジュメを好む人と、
     名刺を好む人に分かれます。が、これは本人の趣向ですので、
     相手が望む方を提出すればOKです。
‐ 極力たくさんのブースを回る。興味のある企業のブースに何度も足を運ぶのも可。
‐ 通常夜に行われる、企業のレセプションパーティーにも出席する
   服装はフォーマル。ここでもネームタグをつけておく。
   飲みすぎないことが大切。

これを3日間フルでやりきることが重要です。

追伸:日本の就職活動でも参考になること

日本の就職活動についても参考になることは、事前準備の大切さです。
日本の学生は、就職フェア会場に行ってから、興味のあるブースを探して回ることが
多いと思いますが、
MBAの就職フェアでは、当日までに企業調査を終え、入念に準備をしています。

日本の学生も、上記のような対策を講じることで、
就職活動時に、就職フェアでよりよいチャンスを獲得できると思いますよ。


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MBA 就職・転職活動 5 (キャリアフェアの正攻法) への2件のフィードバック

  1. 職務経歴書の書き方 のコメント:

    とても魅力的な記事でした。
    また遊びにきます。
    ありがとうございます。

    • admin のコメント:

      ありがとうございます。
      さらに、ためになる情報を提供していきたいと思っています。
      どうぞよろしくお願い致します。

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