グローバル人材とMBA 「人材アセスメントツール」 


こんにちは。

グローバル人材という言葉を、日本でも最近よく聞くようになってきました。

僕のいるThunderbird School of Global Managementでは、
名の通り、グローバルをマネジメントすることを教える学校です。

そのため、グローバル人材教育については、
学校全体で取り組んでいることであり、それを誇りにもしています。

MBAの学生の約半数は留学生であり、
ほとんどの授業でチームアサイメントを課します。
チームで協力しないと、いい成績が取れないし、さらに単位をとれない。
チームでどう協働するのかは、学生任せで放置されます。
カオスからチームワークを自分の力で導け、そういう趣旨です。

5名のチームでは、だいたい3カ国以上の出身者がいます。
これを短期間でまとめていくのは、かなりエネルギーがいります。
これが、この学校の醍醐味であり、
国際ビジネス分野のMBAで世界No.1の評価を得ている所以です。

また、クラスのディスカッションでも、
アメリカ企業が中国に進出した事例では、
アメリカ人と中国人、双方から意見が出て、
それをインド人やロシア人も発言していくという、
刺激的な環境があります。

学生がとらなければいけない授業の中に、
Multi-cultural Team and Leadership
という講座があります。
1ヶ月半にわたり、毎週3時間、
グローバル人材になるためには、何が課題になり、どう解決していくのかを
徹底して教え込まれます。

講座を担当するのは、
Thunderbirdの研究所である、Thunderbird Global Mindset Instituteの所長である
Mansour Javidan特別教授。
彼は、生涯をかけて、グローバル人材育成に力を注いできており、
その思想が、Thunderbirdの方向性と合致し、近年この学校で腕をふるっています。

彼が開発したものとして、Global Mindset Inventory(GMI)という調査があります。
グローバル人材レベルのアセスメントツールで、
現在では、50カ国以上のグローバル企業やビジネススクール等で活用されています。

彼のグローバル人材に対する課題意識は、

・言語スキル
・基本となる会計、マーケティングスキル

というところにはなく、

・異文化コミュニケーション

が最大のネックになると考えています。

例えば扱うケーススタディとしては、

・フランスの老舗香水業界のオーナー企業が、アジア市場の拡大を狙って、
 中国の研究所長をやっていた優秀な中国人を、取締役に昇格し、
 新興市場の責任者に抜擢したが、他のフランス人取締役は、
 彼が中国人であることを見下してばかりで、取締役会で議論にならない。
 中国人の彼自身も自負心があり、理解を得られないことにいらだちを隠せない。
 取締役になったことを後悔しはじめている。

・アメリカで営業部隊をマネジメントし成果を上げてきた優秀なアメリカ人は、
 中国市場の責任者に抜擢され、改革に腕を振るおうとした矢先、
 中国人が主体的に動いてくれない。
 部門横断のプロジェクトを遂行しようとしても、
 おのおのは自部門の利益ばかり主張し、一向に先に進まない。
 中国文化に馴染めず、
 夜はもっぱら欧米人の集まるバーで酒を飲み、ぐちをこぼしている。
 彼は、自分がグローバル人材でないのではないかと、自信を失い始めている。

上記のようなものを扱います。

このように、グローバルに活躍の場が変動していく中で、
成果を上げられない、仕事がうまく進まないリーダーはたくさん生まれています。

世界がフラット化し、グローバル化が進む中で、
異文化の交流は増え、マネジメントの難易度は増加し続けていく。
カオスと不確実性の中で、成果を上げるにはどうすればいいのか?
これが彼の課題意識です。

Javidan教授が、数々の優秀なグローバルリーダーを調査し、
生まれのが、Global Mindset Inventoryという名のサーベイ。

今回はそのサーベイの内容をご紹介します。

Javidan教授は、個人のGlobal Mindsetの構成要件として、

・知的資本
・心理的資本
・社会資本

により構成されると考えています。

1. 知的資本の3要素

1-1 グローバルビジネスについての業界や戦略構築のための知識
1-2 世界の政治や経済、歴史についての知識
1-3 複雑な事象を整理したり、曖昧な概念を理解する能力

2. 心理的資本の3要素

2-1 多様性を楽しむ情熱
2-2 チャレンジ精神や予測不可能なことを楽しむ力
2-3 自己高揚感

3. 社会資本の3要素

3-1. 異文化の出身者を理解し、影響を与える能力
3-2. 異文化の出身者との交渉経験や海外人材ネットワーク
3-3. 異文化の出身者との対話能力

僕の場合は、
心理的資本および知的資本の1-2,1-3については高い評価が出ましたが、
1-1および社会資本については同級生平均よりも低い評価が出ました。

これは、
実際に国際ビジネスの経験がないため、
その知識や異文化コミュニケーションの経験が不足しているためです。

一方では、同級生の大半が、国際ビジネスに身を投じています。
アメリカ人、アジア人、アフリカ人、中南米、どこの出身者もです。
それだけ、日本人は日本市場だけを見て、まだ仕事ができているという
ことの裏返しでもありますし、
グローバル人材が育たない理由でもあります。

日本はグローバル人材というと、

‐英語をはじめとした言語力
‐グローバルで通用するビジネススキル

という要素が強く意識されますが、実際に一番のハードルは、

‐文化の違いを乗り越える力

です。

Global Mindset Inventoryは日本語でも受けることができます。
日本語訳は僕も担当しました。
ぜひお試しください。

質問やお問い合わせのある方は、ブログにコメントを残しておいてください。
サンダーバードとの調整をご協力させていただきます。


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グローバル人材とMBA 「人材アセスメントツール」  への1件のフィードバック

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