【マーケティング】顧客志向とは? IKEAのケース


こんにちは。

今日のGlobal Marketingの授業では、
IKEAのケースを取り扱いました。

日本でも現在5店舗あるIKEAは、
世界では300店舗以上もあります。

クラスメートの大半が、一度は来店したことがあり、
中国でも上海、北京、香港、成都、広州、大連、南京など
現在10店舗が展開されており、
中国でIKEAにいったアメリカ人も多数いました。

IKEAは1926年にスウェーデンの片田舎の小さな家具屋からスタート。
今ではIKEAは世界の300以上の全店舗を同じコンセプトで運営しています。

今日の授業では、

Moon, Youngme. “IKEA Invades America.” Harvard Business
Review
: 9-504-094 (2004)

Shapiro, Benson. P. “What the hell is “Market Orientation”.”
Harvard Business Review: 88610 (1988)

の2つを題材として、Blue Ocean Strategy と Reverse Marketing の双方の
ディスカッションおよびレクチャーと、
それを発展させて Market Orientation という概念の
レクチャーがありました。

誰もが知っているIKEAの特徴として、

‐ デザインが良くて、比較的安い
‐ フラットパック(自分で組立て)
‐ 店が巨大で、テーマパークのようなレイアウト
‐ 店内にレストランや託児所がある
‐ 店内では自分で商品をレジまで運ぶ

などがあると思いますが、

さらに、面白い特徴として、

‐ ”Low price with meaning” “Democratic Design” というスローガン
  良いものを多くの人がが買える価格で提供する全社精神
‐ デザインからリテールまでをすべて自社でマネジメント
‐ 製品構想は、各製品(イス、ベッド、タンスなど)ごとに、
  ジャンル軸(Scandinavian, Modern, Country, Young Swede)と、
  価格軸(High, Medium, Low)の12セル を、薄く広くカバーする
  ように計画。 
‐ 価格は各セルの市場価格から30~50%低い価格を設定し、商品開発を開始
‐ デザイナーは自社社員または業務委託を使い、すべてコンペで発注
‐ 設計者は、より安く、よりデザインよくなるような素材を選定
‐ 製造業者は世界中の1800の契約会社に、すべてコンペで発注
  委託先は中国18%、ポーランド12%、スウェーデン9%
‐ フラットパックにすることで、物流コストを競合より84%削減

以上が、挙げられます。

Blue Ocean Strategyのフレームワークを使うと、
IKEAの戦略は、

Eliminate: 配送、組立、製品耐久性を放棄
Reduce: 製品ラインナップ、店員数を削減
Raise: デザイン、納品速度を向上
Create: 大規模モデルルーム、顧客関与型購買を創造

と整理されます。

IKEAがアメリカに進出したのは、1985年。
数年間は販売がうまくいかず、厳しい時代が続きました。

失敗の最大の理由は、アメリカ人が家具を大事にしており、
廉価なIKEAの製品を買いたがらないこと、でした。

アメリカにはこんな格言があります。

「生涯において、9個の時計を使い、7個の車に乗り、5つの会社で働き、
 4つの家に住み、3匹の犬を飼い、2.5匹の猫を飼い、
 1.5人の配偶者を持つ。そして1.5個のキッチンテーブルを使う」

それぐらい、アメリカ人は家具を買い替えずに、大切に使うのです。

そこでIKEAがとった広報戦略は、Inboringというスローガンで、
「家具なんだから、いつだって買い替えたっていいじゃない。
 そうしていろんなライフスタイルを楽しもう」
というもの。

代表的なTVCMにはこのようなものがあります。

“Many of you feel bad for this lamp.
That is because you are crazy.
It has no feelings.
And the new one is much better.”

“みなさんはこのランプを気の毒に思うかもしれません。
それはみなさんがバカだからです。
ランプには何の感情もありません。
新しいランプはもっと素敵ですよ。”

このキャンペーンを通じて、気軽に家具を買うムードをつくりあげ、大成功。
今ではIKEAの総売上の11%をアメリカが占めるまでになっています。

また、日本ではIKEAは配送業者と連携し、配送サービスを行っていますが、
他の多くの国では、配送サービスはありません。
自家用車で持ち帰ったり、レンタカーを借りて運んだりしています。

この話を、Reverse Marketingの文脈で考えてみます。
この戦略は、常識と逆のことをするという発想の戦略です。

一般的な企業は、サービスや製品を追加し、拡大を図ります。
が、Reverse Marketing をとる企業では、通常のサービスを放棄し、
特定の分野だけ最大限価値向上する道をとります。

IKEAは、配送、組立、ラインナップというサービス価値を放棄し、
デザイン、テーマパークのような店舗という価値で一点突破。

ほかにも、アメリカで最近人気のJetBlueという低価格航空会社は、
機内食なし、など、通常のサービスを削減する代わりに、
全席レザーシート、全席高機能TV、という点で一点突破。

アメリカでウォルマートに次ぐ、小売第2位のTargetは、
徹底して低価格サービスを追求するかわりに、
店内レイアウトはデザイナーを雇い、顧客を楽しませることで一点突破。

最後に、Market Orientation の概念の説明がありました。

重視するものは、顧客価値。顧客価値から経営のすべてを再構築する。
顧客価値を基点に、営業・マーケティング部門だけでなく、
研究開発、設計、製造、人事、経理財務、システムなどすべての機能を
あらためていく必要がある。

そのために必要なポイントとして、
‐ 強いリーダーシップ (顧客を向く経営はトップダウンマネジメント)
‐ 部門を超えた連携
‐ 顧客ニーズの正しい把握 (定量アンケートより顧客観察)
の3点が挙げられていました。

概念はもっともです。が、少し当たり前すぎる話でもあります。

そこで、なぜこのような当たり前の戦略が実施されないのか、
最後に自分なりに考察してみました。

原因は大きく4つ。

① 各部門の思考の時間軸が違う 
  (今のニーズの追求or 5年後のニーズの先取? 部門間の見解が揃わない)
② 顧客ニーズを正しく把握しきれない
  (定性調査は信頼に足るのか。母数は十分か。経営者が意思決定しきれない)
③ 経営陣が自部門思考から抜け出せない
  (自部門のやり方を変えることへの抵抗。それを覆さないCEOのリーダーシップ欠如)
④ 自社の組織・従業員能力に対する認識が異なる
  (どの程度の飛躍や変化が実現可能かについて、意見がすりあわない)

実際の現場では、このような問題が起こっているように感じます。

この原因に対する対応策は、これから考えていきたいと思います。


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【マーケティング】顧客志向とは? IKEAのケース への1件のフィードバック

  1. たか@JAPAN のコメント:

    1000円カットのQBハウスは水をなくすことでコストを削減して高利益をあげてるみたいです!!

    あたりまえのサービスなどが意外と省けたりするんですよね。

    そんな発想を身につけたいです♪僕は元気にやってますよ★

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