こんにちは。
Thunderbird School of Global Managementでは、
9/7から1学期がスタートしており、12月中旬に終了します。
僕のいるAcceleratedプログラムでは、
1学期ではすべて必修科目を受講し、15単位を取得していきます。
講義内容をご紹介します。
ちなみに、この学校は、International Business分野で世界No.1の実績を誇るため、
授業のタイトルに、なんでもかんでも、Globalがつきます(笑)
■ Global Accounting (3単位)
財務諸表作成、財務諸表分析、管理会計の3つが柱。
会計基準はGAAPをもとに、一部IFRSとの差異については補足説明が加えられます。
Acceleratedでは、基礎レベルの会計知識は前提とされているため、
財務諸表上の仕訳の細かい内容については、説明が省かれ、いきなり中身に入ります。
講義のカバー範囲は、
・財務諸表作成: 財務3表から、法人税、連結決算、買収企業諸表の扱いまで
・財務諸表分析: ROS, ROE, ROA, EBITDAなど一般的なもの
・管理会計: 活動基準原価計算、ABC、バランスドスコアカードなど
教科書: Pratt, Jammy, Financial Accounting in an Economic Context: 7th ed., WILEY, 2009
■ Global Finance (3単位)
一般的なコーポレートファイナンスの基礎講義。但し、すごいスピードで進む。
講義のカバー範囲。
NPV(正味現在価値)/IRR(内部収益率)、バリュエーション、リスク分析、
資本コスト、資本構成、短期財務、デリバティブまで。
教科書: Ross, Stephen A, et al. Corporate Finance: 9th ed., McGraw-Hill Irwin, 2009
■ Global Political Economy (3単位)
MBAでは珍しく、政治経済の講義が必修科目としてあります。
Globalをうたう学校の特徴をあらわしている講義の一つです。
膨大な量のリーディング課題を出すことで有名です。
毎週、約100ページ分の論文+毎日の新聞読書ファイナンシャル・タイムス。
とくに、MBAの学生は、政治経済のバックグランドがない人が多いので、
苦労する人、多数です。
講義のカバー範囲は。
-思想: 資本主義、重商主義(保護貿易など)、マルクス主義
※MBAでマルクス主義まで触れるのは、本当に珍しいと思います
-国際潮流: 金融(IMF中心)、貿易(GATT-WTO、FTA中心)、開発(WB中心)
教科書: Balaam & Dilman, “Introduction to International Political Economy: 5th ed.,” Longman
Goddard, C. Roe, et al., “International Political Economy: 2nd ed.,” Rienner
■ Global Marketing (3単位)
ひたすらケーススタディ。講義よりディスカッション中心。
>講義のカバー範囲。
マーケティング・マス、競合・顧客分析、顧客価値・ロイヤルティ、
セグメンテーション/ターゲティング/ポジショニング、ブランディング、
価格設定、広告宣伝、チャネル/流通戦略、直販モデル。
特徴的なのは、グローバル視点が中心となることです。
たとえば、グローバル企業vs国内老舗企業という視点。
これは個人的に大変興味がある分野なので、楽しみです。
グループ課題としても、
ある商品について、グローバルブランドの特徴と、
国内ブランドの特徴を分析し、
どのようにマーケット競争を繰り広げているかというものを
最終的にまとめあげることになっています。
■ Managing Global Business (3単位)
組織・人事・リーダーシップ系の講義です。
こちらもケーススタディーとディスカッション中心です。
とくにいろいろな国の事例を積極的に扱い、
それぞれの国の文化・風土・政治環境などもスコープに入れた、
講義が行われます。
また、ディスカッションでは、クラスメートがそもそも国籍多様なので、
その点でも、異文化についての吸収要素がたくさんあります。
現在のクラスは、約40人ぐらいの構成で
アメリカ、インド、中国、台湾、日本、アルゼンチン、トルコ、タイ、ポーランド、
ロシア出身者がいます。
そして、授業は、「肌で学べ」ということで、チームプロジェクトを中心に進められ、
その中で自分でマネジメントやリーダーシップを学んでいくことになります。
さらに、単位にはならない必修科目が2つ。
■ Career Management
この授業には学校側のブランド防衛の意味と、
学生の就職力アップの両方の意味があります。
学校側としては、下手に学生に就職活動をされると、
就職率が下がり大学のMBAランキングが下がったり、
企業に対するMBAのブランドが下がり、さらに就職者数が減ったり
といった、リスクがあります。
そのため、この授業を必修科目とし、
不合格者には、学校が提供するいかなるキャリア支援サービスや
就職情報を受けさせなくするという、強硬手段に出ます。
そういう講義ですが、アメリカのキャリアの考え方や就職活動方法を
学ぶことができます。
■ Multicultural Teams and Leadership
Thunderbirdには、Thunderbird Global Mindset Instituteという、
人事組織アセスメントを中心とする研究所があります。
とくに、従業員の「グローバル思考」を測る調査を特徴とし、
日本企業を含めた世界のグローバル企業にサービス提供しています。
ちなみにその調査の日本語訳は僕が担当しています(笑)
その研究所の教授陣による、「グローバル思考」をいかに高めるか、
という、授業です。
こちらもケーススタディーが中心で、
文化の違う国のマーケットに参入した企業が、
どういう問題をかかえ、どういう衝突が起き、どう解決すべきかといった内容を、
ラフなディスカッションを通じて、学んでいきます。
こちらもクラスの学生構成が、そもそも多国籍なので、
お互いの議論から、たくさんを学んでいきます。
以上、7科目が1学期の講義内容です。
この1学期がカリキュラムの中で、一番ハードな時だと言われています。
読書量は1週間で約200ページにのぼります。
授業は毎日6時間ほどあります(金土日は休み)。
そんな僕自身も、
寝る時間以外は、だいたい授業に出ているか、何かを読んでいるか、
そんな生活を過ごしています。しんどい。。。