ファンデーションコースの最後2日間、
木曜日と金曜日は、
交渉シミュレーションゲームにあてられました。
設定は、実際にあった話。
米自動車大手GMが1990年代にロシア進出を目指し、
ロシア最大手Auto Vaz社とのジョイントベンチャー交渉に
あたったときの設定で、
ジョイントベンチャー設立交渉をするというもの。
資料がまた豪華で、
ケーススタディー形式の17ページのペーパーを読み、
当時の各社の思惑、中心人物のバックグランドや関心、
ロシア政府の内部事情、
ロシアでの製造、販売までの一連の自動車産業フロー、
ジョイントベンチャー設立の覚書、
さらには、実際のジョイントベンチャー交渉のPL等数値資料まで、
ほぼ当時を再現できる材料がそろっている。
シミュレーションのプレーヤーは、
GM
Auto Vaz
EBRD(欧州復興開発銀行)
GMは、ロシア進出に成功し、Auto Vazの工場を見直し、質を向上させて、
高級ブランドとしてロシアマーケットをとりたい。
輸出は、既存のGMの販売網とカニバるため、したくない。
技術やノウハウは極力流出させたくない。
Auto Vazは、このチャンスに、アメリカ自動車産業の技術や経営ノウハウを
吸収して、さらに利益を上げたい。
でも、現在の安い自動車のラインナップは減らしたくない。
JVでの自動車はむしろ輸出に回したい。
EBRDは、赤字続きの既存プロジェクトの反省を踏まえ、
絶対に投資回収できるプロジェクトにしあげたい。
リスクを踏まえた、貸出金利設定をしたい。
そして、EBRDのミッションである、旧ソ連諸国への投資増を成功させたい。
ロシアの黒幕たちから、このJVの利益を守りたい。
GMとは違い、輸出を増やして、確実に利益をあげたい。
このシミュレーションでは、ロシアの産業事情やスタイルが学べるだけでなく、
演じるプレーヤー(とくにインド人)の交渉スタイルも垣間見れて、
とても役にたつプログラムでした。
インド人は本当に交渉も上手いです。
感情と理論を織り交ぜながら、巧みに出るポイントとひくポイントを
使い分けてきます。
彼らと交渉するには、ロジックを精緻に練っていかないと負けます。
たとえば、上記の3者の思惑の中で、
つい、日本人はGM的なものの視点、
「GMのノウハウが入ることで、ロシアの自動車産業の質が向上する」
と考えがちですが、
一方では、
「すでにロシアで最大手のAuto Vazの経営力はGMより高い」
と、いいきってしまうインド人の強さがあります。
確かに、この考え方にも説得力があり、一瞬うろたえさせられます。
このプログラムはファンデーションコースの中で、一番楽しめました。
最終日、金曜日の夕方は、Thunder Olympicという運動会を実施。
こうして、長い長い1週間が終わりました。。
来週からは、いよいよMBAが本格的にスタートします!