留学出願校選択

TOEFLやGMATの準備がひと段落ついてくると、具体的な出願先のビジネススクールを選ぶ段階に入ってきます。しかし、この出願校選択の段階で時間を要する方が多くいらっしゃいます。なぜなら、「ビジネススクールの数がたくさんありすぎる」からです。ここでは、出願校選択のポイントを紹介していきます。

何校に出願すべきか?

その前に、何校に出願すべきかという点も頭を悩ませるポイントです。ここで重要なことは、はじめから出願校を絞りすぎないことです。キーワードは「入学校を決めるのは合格通知を得てからでいい」。出願先を考えているときには、頭の中で自然と行きたいビジネススクールの優先順位がついていきます。

そして、どうしても第一優先順位の学校に行きたくなっていきます。ここが落とし穴なのです。第一優先順位の学校に必ず合格できるわけではありません。不合格になった場合には、1年という時間をまた受験勉強に費やすことになります。この機会費用とMBA留学で得たいリターンを冷静に常に念頭に置き続けることが、成功への最初のステップとなります。

そこで、何校に出願すべきかを考える際には、「どのビジネススクールが一番なのか?」を意識する前に、「MBA留学から何を得たいのか?」に立ち戻って考える必要があります。

例えば、どうしてもハーバード・ビジネススクール(Harvard Business School)に入学したい人にとっては、ハーバード・ビジネススクールに合格することがその人のゴールです。一方で、未経験の分野の知識を体系的に学びたいという人にとっては、その分野について質の良い教育を受けられるビジネススクールであれば、ハーバード・ビジネススクールでなくても構いません。英語を鍛えたい人にとっては、学校うんぬんではなく、いち早く英語を話す環境に飛び込むことが最も重要です。

自分にとって何が重要なのか。これを考えることで、自分にとっての必達ラインが見えてきます。そして、一般的に多くの方は一度に3~7校出願しています。ついつい、見栄を張ってランキングなどを意識しがちですが、出願の時点では、必達ラインより上のビジネススクールを何校かピックアップし、その学校すべてに出願していくという覚悟が大切です。

何を基準に出願先を選ぶべきか?

出願校の選択軸として代表的なものに以下のものがあります。順番に紹介していきます。

1.期間

欧米のビジネススクールを検討する方にとって大きな基準の一つが、2年制カリキュラムが中心のアメリカか、1年制カリキュラムが中心のヨーロッパか、というものです。

もちろん、アメリカの中にも1年制の学校がありますし、ヨーロッパの中にも2年制の学校はありますので、必ず出願を検討しているビジネススクールのホームページ上でカリキュラムを調べてください。

一般的には“Curriculum”のコーナーで説明されていることが多いです。期間がなぜ重要なのかというと、この期間によって留学時の学費・生活費や卒業時の年齢が大きく変わってくるためです。海外経験の少ないご家族が同伴する場合は、その負担も考慮材料のひとつです。

2.ビジネススクール・ランキング

MBA修了後の就職先として、海外(特にアメリカ)での投資銀行や大手戦略コンサルティング会社を希望する場合は、ビジネススクール・ランキングは重要です。投資銀行や大手戦略コンサルティング会社のリクルーターは、効率を求めてトップスクールのみを対象に採用活動をしていたりします。

トップスクールの教授陣(ファカルティ)や卒業生と、これらの企業との繋がりは強く、トップスクールに行くことが、投資銀行や大手戦略コンサルティング会社への登竜門となっています。そして、さらに、そのトップスクールの中の激しい競争に勝ち抜いていく必要があります。世界MBAランキングアメリカMBAランキングを参考にしてください。

3.学校ごとの特徴・強み

アメリカの投資銀行や大手戦略コンサルティング会社にこだわっていないにとっては、ビジネススクールの総合ランキング以上に、各学校ごとの特徴や強み(弱み)が重要となります。

なぜなら、冒頭でもご紹介しましたが、「MBA留学から何を得たいのか?」という自らのゴールに適した学校に行くためです。

例えば良く取り上げられる事例としては、アントレプレナーシップという分野でバブソン大学(Babson College)はトップスクール以上の評価を得ていますし、同様にサンダーバード国際経営大学院(Thunderbird School of Global Management)は国際ビジネスの分野でトップスクールより高い評価を得ています。

また、シリコンバレーに接点を持ちたい人にとって、スタンフォード大学(Stanford University)は格別の存在です。将来、欧米ではなく、アジアやアフリカ、中南米などに興味のある方は、現地のビジネススクールでは、欧米のトップスクールでは得られない貴重なネットワークを構築することができます。

このような学校の特徴を調べる場合には、専攻別MBAランキングや、各学校の在校生や卒業生のブログ、カスタマイズ可能な比較サイトの“Find The Best”、口コミサイトが参考になります。

4.コスト

莫大な投資となる学費や生活関連費も基準のひとつです。いわゆる私大トップスクールへ留学するには1500万円近い資金が必要です(詳細はMBAの費用をご覧ください)。トップスクールの中でも、公立大学(UCバークレー、UCLA、テキサス大学など)はその2/3ほどで留学ができたりします。

最近では、コスト面から欧米のビジネススクールではなく、アジア(シンガポールや中国)のビジネススクールを目指す人も増えてきています。資金上限がある場合は、背伸びをせずその中でベストな学校を選ぶ勇気も必要です。

5.立地

1年や2年という留学期間において、キャンパスライフの充実具合を重視する人もいます。大都会ニューヨーク、美観都市バルセロナ、世界をリードするシリコンバレー、マリンスポーツを楽しめるロサンジェルス近郊など、キャンパス外での雰囲気はときに重要です。もちろん、何を重視するかは人によって異なります。家族を同伴する人にとって、生活しやすい環境というのも重要な考慮ポイントです。

6.学校や在校生の雰囲気

MBA留学の醍醐味の一つに、同級生とのネットワークというものがあります。しかしながら、このネットワークを構築しやすい学校もあれば、構築しにくい学校もあります。

トップスクールでは、学生同士の競争が激しすぎるあまり、ギクシャクした人間関係がある、という噂も実しやかに流れています。雰囲気を感じ取るためには、各学校の在校生や卒業生のブログや口コミサイトからも情報収取できますが、やはりキャンパスビジットが一番です。

7.教授

特別に師事したい教授がいる場合は、その教授が在籍しているビジネススクールを目指すのもひとつです。しかしながら、ビジネススクールは、研究者を目指すアカデミック・スクールとは異なり、様々な教授の授業を数多くとるというカリキュラムが一般的なため、教授という軸で学校を選ぶことはあまり多くないように感じています。

出願候補校からの情報をどのように得るのか?

ある程度、出願校を絞ることができたら、各学校のホームページにて、出願情報のメール配信サービスの手続きを取ります。一般的に、“Request Information”というコーナーから登録できます。ここから配信されるメールには、各学校の説明会等のイベント情報、オンライン上のチャット交流情報、キャンパスビジット情報、出願の開始および締切りに関する情報等、出願に有用な情報がたくさん含まれています。

最終的にどのように出願先選択に確信を持つのか?

ある程度、出願校を選んだあとに実際に出願校を絞る場合には、実際の体験者の声が一番参考になります。毎年、秋から冬にかけて日本でも開催されるMBA留学フェアは、数多くのビジネススクールのアドミッションや卒業生に対して気になっている疑問や質問をぶつけることができるチャンスです。同時期には、ビジネススクールごとのMBA説明会も開催されています。卒業生がどうして、その学校を選んだのか、実際に入学してみてどうだったのかを訊くことができます。また、キャンパスビジットも時間を要しますが、有効な手段です。

最後に繰り返しになりますが、ポイントは「MBA留学から何を得たいのか?」です。MBA留学の準備期間は様々な情報や噂が耳に飛び込んできます。有用な情報もありますが、ガセネタもたくさん飛び交っています。最後に腹をくくるのは自分です。情報に踊らされることなく、自分の軸を大切にしてください。

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