MBA留学後のキャリア・転職(アジア・太平洋)

中国、韓国、インドでMBA採用は急伸しています

アジア太平洋地域のMBA求人状況出典:QS TopMBA.com

アジアでのMBA求人には2つの大きなカテゴリーが存在しています。まず以前から存在しているカテゴリーが、アジア地域の外資企業や現地のグローバル企業が欧米のMBA卒業生を採用するというもの。アジア地域の経済発展により、外資系企業や現地グローバル企業は大きく成長し人材が常に不足しており、欧米MBA卒業生を高い給与で雇用するというのが1つの大きなトレンドです。もうひとつのカテゴリーは、アジアの現地MBA卒業生をアジア地域のローカル企業が採用するというトレンドです。アジアの現地MBAは目下のところ欧米MBAほど知名度が高くありませんが、インド、中国、韓国などのMBAは年々ランキングを上げ、着実に力をつけてきています。以前、中国、東南アジア、南アジアが欧米MBAを目指した背景には、北米やヨーロッパで新しい人生を始めたいという若者の希望がありました。それがアジアの経済発展により、母国に戻ってスキルの高い職につく人が年々増えてきています。

アジア全体の求人の特徴としては、金融機関、コンサルティング会社が非常に多くの欧米MBA卒業生を採用しているという点です。特に、中国、インド、シンガポールでこの特徴は顕著です。他方、最近になり、金融機関、コンサルティング会社を上回る速度でMBA採用数を増やしているのが中国のインターネット企業や電子電気メーカーです。

中国のMBA採用人数は、QS TopMBAの調べによると、2012年に20%、2013年には35%というアジア・太平洋平均と比べても著しく成長しています。多くは上海地域で採用されており、欧米MBA卒業生は引く手あまたで、完全な売り手市場と言われています。上海市政府は、高まる欧米MBA卒業生需要を賄うため、現地のMBAを独自設立するなどの動きまでみせています。中国国内のビジネススクールを卒業したMBAホルダーの採用も活発化しています。特に、CEIBS(中欧国際工商学院)や長江商学院などはブランドが上がってきており、欧米トップスクールMBA卒業生を採用できない企業、もしくは欧米MBA卒業生の相場年収が高すぎて折り合いがつかない企業は、現地の卒業生を積極的に採用しています。また、中国市場全体の特徴として中国語能力を応募要件として掲げるところは多く、外国人が中国で採用されるには、ある程度の中国語能力を要求されますし、他の膨大な数がいる中国人MBAホルダーとの競争になるということも忘れてはいけない事実です。

中国と同様、成長著しいインドでも、MBA求人数は、2012年に16%、2013年は29%と大きく増加しています。インドのMBA求人状況も中国と酷似しており、一部のグローバル企業は欧米MBAの卒業生の採用ニーズが高く、ITアウトソーシングを中心としたインドのローカル企業はISBやIIMなどローカルMBA卒業生を好む傾向にあるようです。さらに、より多くのインド人がMBA取得を目指すようになったことで、従来学部生採用で満足していた企業が同じポストにMBAを採用するようになったということも起こっているようです。所得水準の低いインドでは他国のアジア諸国と比べMBA卒業生の給与は低い状況ですが、インド国内ではローカルのマネージャーよりは報酬を多くもらっています。

日本のお隣、韓国でもMBA採用数は増えています。2012年には26%、2013年には20%増加しました。従来MBAに対する特別視が少なくなかった韓国でも、最近ではサムスン、LG、ヒュンダイといったグローバル企業を中心にMBA採用が活発化しています。

年収は北米より低いが、増加率は非常に高い

MBA卒業後の年収

アジア・太平洋地域の年収は、平均してUSD80,000(約800万円)。北米や西欧と比べると低いですが、アジア地域の所得水準がまだまだ低いことを缶上げると、MBAホルダーは年収面で優遇されていることがわかります。また、グローバル企業の方がローカル企業よりも年収が高いこともわかります。

MBA卒業後の年収増加率

また、アジア・太平洋地域のMBA求人年収は昨年に比べ20%も増加しており、急激に年収水準が上がってきていることは注目すべきことです。今は北米や西欧に比べ年収水準は低く、日本人留学生にとってはあまり魅力的に見えないかもしれませんが、数年後には同等クラスまで増加している可能性もあり、現地の物価を加味すると、北米よりも高い生活レベルを味わえるかもしれません。

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